朝顔と百首の狂歌
「朝顔百首狂歌集」
  唐樹園南陀羅撰  文政13年
 
 朝顔作りと響き合うように、唐樹園南陀羅撰、文政十三年、大坂千里亭版 内樹園なる人の序を少し紹介しよう。

  「(前略)備前国に南陀羅といふ人有この人朝顔のさかりなるころは ひうちばこのおとにおどろき すりこぎのくわらくわらに目をさましてこゝろやりと明方の庭にたちて賞すめり いでや亭主のすきを容とやらにて世をかきねの花をさなからこれに百首の狂歌をあつめて這たるつるのとちふみとなして みぬ人のめをさまさせんとす(後略)」 本文の狂歌二、三首紹介しよう。

 「今朝もまた つい寝すくして 朝顔の 朝茶の茶碗 見るばかりなり」
                                江戸 清澄
 「朝顔の 延たるつるを のしにして 隣へわくる 花の仲垣」
                                江戸 升成
 「七ところ 狂咲出て 初かねの いろをふくめる 朝顔のはな」
                                仙台 唐丸
 「咲花を いかてやむけに おらんだの 横文字めける つるの朝顔」
                                紀州 坊太記
 「せわしさに かゝるや露の 玉たすき 垣のたもとの しぼり朝顔」
                                淡路 毒也
 「源氏窓 明る空色 須磨明石 はひ渡りさく 垣の朝顔」
                                唐樹園南陀羅

「朝顔百首狂歌集」 文政十三年刊 本文見開き、 岳鼎画
「朝顔を みよとおこすも いつゝすぎ あなかしかまし 花も半時」  内樹園