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万延元年三月、栩々園耽花の編集によるシャクヤクの品種解説書である。
凡例の最後のところに、
「此集もと催主五人の好みにいつるといへとも貨植のいとまなきをもておのれにたくす おのれ花僻あるをもていなます筆をとるといへともはづか三日にして功を終る さだめてしる諸君の意にかなはさらんことをいとかしこしや 栩々園耽花」 とあり、本文は 品種名とその形状色彩を記す。即ち、「千尋 うす色梅花形十五べん うけざき こがねしべうけ葉」、 「金雲 濃紅梅花形十五べんかかへさき金のかかへしべ うけ葉」 などと簡単明瞭な解説が加えら れている。
催主とは 幕末江戸に於て園芸界のり−ダー的役割を果した人々で園名並に名は次の通りである。
艶友園 文蔵
群芳園 勘蔵
石丘園 庄吉
寿山園 卯之吉
栽花園 長太郎 |
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