書名 :: 花壇地錦抄 かだんじきんしょう  
冊数 : 全冊  
別書名 :     
著編者名 : 伊藤伊兵衛(三之丞)//〔著〕  
出版年 : 1695 元禄8年  
注記 : 巻四、五 (合冊内四之巻)
わが国で出版された園芸辞典の最初。四巻三冊の最後の水草の
部の末尾に
カキツバタが収録されている。元禄年間すでに十二品
種が成立し当時はハナショ
ウブと並ぶ園芸種として人気を得ていた
ことが知られる。
  
     (写真上・上段)
杜若(かきつばた)のるい  初中

鷲の尾(わしのお) 
 花るりこん色花中に白き
 筋ありしべのごとくなり
 ほど三枚づつ上へ立つ物なり
 これもるりこん也

橋姫(はしひめ)
 村雲(むらくも)のごとくにてるり
 のさらさ成るほど見事
 大輪也

薄雲(うすくも)
 白花に村村(むらむら)とかうり有

ごまほし
 白にうす紫のほし有

(写真上・下段)
羅生門(らしょうもん)
 花うすくろし

村雲(むらくも)
 白花にるり色のほし さら
 さのごとくあり

濡鷺(ぬれさぎ)
 花水あさぎいろ

四季咲(しきざき)
 るり色四度花咲


 白に二種あり つねの白は花
 中に紫のさしうつろひ有
 ぬけ白といふはうつろひもなし 上々

    (写真下・上段)
六葉(ろくよう)
 むらさき色よし 花六
 まいづつ出る

八橋(やつはし)
 こいむらさき花首に葉
 一まひづつ出る これまでかき
 つばたのるいなり 何れも茎一本に
 花三度づつ咲くものなり  肥たるは
 花四つ五つも咲き一番花二番
 花といふ

(写真下・下段)
八葉
 むらさき是も八花(ひら)出る

   水草終


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