書名 : 草木育草 そうもくそだてぐさ
冊数 : 上下ニ巻
別書名:  
著編者名 : 岩崎潅園(常正)//〔著〕
出版年 : 1818 文化15年
注記 : 下巻
     
注釈 燕子花 ○州府志 蔵玉集に皃吉草(かほよぐさ)といへり かきつ
ばたを
杜若と書くは誤りなり。杜若は高良薑(くまたけらん)の一類
にして少し
低く。花白くして黄蘂(きのしべ)あり。是を福州高良薑と
なし。又花戸にて
縮砂(しゅくしゃ)といふ。此もの縮砂又山薑など
の属(たぐい)に非(あら)ず
是杜若なり。さて燕子花は四七十月に
花咲を四季ざきと云。又白あり。
白くして紫斑あるを鷲の尾と云。
紅(あか)みを帯びる紫をしょくこう(蜀紅)
と云。花弁大にして六枚
あるを六曜といふ。惣(すべ)て田の傍(かたわら)
池などに植えた
るは肥に及ばず浅水に植えるべし。盆(はち)に植えたるは
干鰛
(ほしか)ごまめ等をさし込てよし。花菖蒲も同じ。


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